柳川水天宮舟舞台囃子青年部

柳川水天宮舟舞台囃子青年部

 昔は青年が囃子を演奏していましたが、(昭和50年8月)ごろから将来の水天宮囃子を担う子どもたちを 養成しようと、矢留小学校児童を中心に、舟舞台囃子保存会を結成。その後、より技術を高め、今後も長く 続かせようと、大橋三俊さんが2 005年青年層に呼びかけ、青年部が結成されました。

大橋さんが会長を 務め、部員は18歳から60歳代までの40数人。
30年前青年として叩いていた50、60歳代の
ほか、子ども時代に演奏した経験者で組織しています。
50、60歳代が青年層に教え、青年層が子どもたちに教えています。
 笛、太鼓は毎週日曜日の午前10時から2時間、水天宮の社務所で、青年部の4、5人が子どもたちを指導しています。笛、太鼓ともまず言い回しを覚えます。

水天宮祭り

笛は「アラヒッヒリヒュヒュ…」、太鼓は「トンテンチリリチツンテン…」と独特。右手に置いた釣り太鼓、正面に置いた3つの締め太鼓の叩き方は、先輩が叩く姿を後ろで見ながら、受け継ぎます。最近は、家でも練習できるよう後ろと前から撮影したビデオも作成しています。青年部に入って、上は80歳代から下は子どもたちまで、祭りを通して会話が弾み、縦のつながりが密になりました。
子どもたちに地域の人から『どげんしよるかい』と直接声をかけるなど、地域全体で子どもたちを育ててもらっていると感じます。
子どもたちもここで習ったことを未来へ伝えていってほしい。
そして柳川に愛着を持ってもらいたい特に青年部指導になってから子どもたちのバチさばきには目を見張るものがあり、今では青年より腕前が上がっている子供もいます。

 囃子を支えるもう一つの柱である三味線は毎週木曜日の午後4時から2時間子どもたちの練習が行われています。4人の青年部女性が仕事が終わってからすぐ社務所にかけつけ指導しています。
子どもたちは、まず礼儀作法を習います。三味線の基本である指の押さえ方などを学び、譜面を見ながら三味線の竿に18か所ある指で押さえるツボを覚えます。
その後、何小節かずつ弾いていき、過去の太鼓や笛、三味線の演奏のテープを聞きながら練習を繰り返し、リズムやこつをつかんでいきます。

笛と太鼓、三味線がそれぞれ練習を重ね、本番一週間前の>日曜日、全員そろって最初で最後の合同練習が矢留うぶすな館で行われます。
本番さながらの演奏に、応援に駆けつける地域の人からも大きな拍手をいただきます。

新しく入ってきた後輩に笛や太鼓を教えている古賀雅(まさる)くん、河村幸輝(こうき)くん(矢留小6年)は「夜、お兄さんお姉さんが叩いているのを見てやってみたいと思いました。3年生の終わりから始め、最初のころは朝と夜練習していました。祭りに参加できるのがうれしい」と話しています。
三味線を練習している田中彩聖さん(矢留小4年)は「三味線を練習するのは楽しい。なにも押さえないと音は出ないけど、ツボを押さえるといろんな音になるのが楽しい」と練習を楽しんでいます。

青年部も2月ごろから毎週土曜日午後7時から、社務所で2時間練習しています。

バチは手作り

囃子に使うバチは地域の人の手作りです。青竹で作られたバチは、まず山から竹を切って来て、
長さ約70センチ、幅約1センチに揃えます。次に、先端以外の節を落とし、太ももの上に布をあて小刀を
固定して竹を手前に引き、角を落とします。
先端に節を残すのは、バチを叩いているときに割れないようにするためです。
必要に応じて、小刀などで削って厚さを調整し、やすりで磨いて完成です。
たたくときに竹の細かい繊維でけがをしないよう気を使いながら、1回の祭りで200から250本作ります。
青竹は乾いた竹より弾力があって割れにくいため、バチに向いています。
水天宮祭り

笛も手作りです

竹でできていて、表に指で押さえる穴が6 つあり、ほかに吹くための穴、
音を響かせるためのテープをつけた穴などがあります。
笛は竹を長さ約40センチに節を残して切り出します。
水天宮祭り
乾かして穴を開け、乾燥を防ぐために色を塗り、音を響かせる穴にテープを貼って完成です。
しかし、なかなか自分に合った笛を作るのは難しです。